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  1. 札幌市議会 2010-10-27
    平成22年第一部決算特別委員会−10月27日-09号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成22年第一部決算特別委員会−10月27日-09号平成22年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第9号)               平成22年(2010年)10月27日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  長 内 直 也      副委員長   伊 藤 理智子     委   員  武 市 憲 一      委   員  笹 出 昭 夫     委   員  馬 場 泰 年      委   員  勝 木 勇 人     委   員  近 藤 和 雄      委   員  村 山 秀 哉     委   員  横 山 峰 子      委   員  佐々木 みつこ     委   員  飯 島 弘 之      委   員  川田 ただひさ     委   員  湊 谷   隆      委   員  川口谷   正     委   員  畑 瀬 幸 二      委   員  小 野 正 美     委   員  恩 村 一 郎      委   員  桑 原   透     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  佐 藤 右 司     委   員  しのだ 江里子      委   員  小 川 直 人     委   員  本 郷 俊 史      委   員  高 橋   功     委   員  芦 原   進      委   員  阿知良 寛 美     委   員  福 田 浩太郎      委   員  宮 川   潤
        委   員  村 上   仁      委   員  坂   ひろみ     委   員  伊 藤 牧 子      委   員  宮 本 吉 人     委   員  堀 川 素 人       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時9分 ○長内直也 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  議案第1号 平成21年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分に対する討論を行います。 ◆横山峰子 委員  私は、ただいまから、自由民主党議員会を代表して、本特別委員会に付託されております議案第1号の平成21年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分について、賛成いたしますが、幾つかの疑問点や留意すべき点が見受けられますので、それらについて指摘しながら、簡潔に討論を行います。  上田市政の平成15年度から19年度までの財政運営を見ますと、一般会計の決算は、歳出総額では平成14年度比で549億円の大きな削減額でした。その内容は、扶助費が383億円と大きく増加したのとは逆に、普通建設事業費は、844億円減と扶助費増加額の2.2倍に及ぶより大きな削減額でした。一方、歳入総額は608億円の減収でした。地方交付税が抑制されたものの、税源移譲で市税収入が底上げされたほか、国・道支出金の増額等で市債を除く歳入は133億円の減収にとどまりましたが、市債は475億円に及ぶ大きな削減の結果、市債残高は平成16年度末の1兆948億円をピークに、19年度末では1兆273億円に削減されました。つまり、札幌市は、歳出総額の抑制と扶助費の増大に対応するため、普通建設事業費を徹底して削減し、公債費や市債残高を抑制するため、市債発行額を徹底して削減してきました。  私どもは、財政規模の抑制や公共事業の削減を頭から否定するつもりはなく、市債発行も慎重に行うべきと考えますが、市長は、公共事業への依存度が高い本市産業構造の実態を知りながら、削減の選択と集中を公共事業に過度に依存してきた結果、札幌市財政は、コンクリートと言われる公共事業を担ってきた建設・土木関連の多くの企業、そして、コンクリートの陰で汗水を流し、市民生活経済活動の一翼を担ってきた数限りない従業員とその家族の方々の犠牲の上に支えられてきたことは明確です。  次に、平成21年度決算は、政府による緊急経済対策の追加補正に背中を押されて、市長も平成20年度から方針転換され、特に平成21年度では、数度にわたる補正の結果、総額は8,200億円に迫る決算でした。景気と雇用の落ち込みが著しい中で、市民の生活や雇用を支援し、地元中小企業を支える事業に積極的な財政出動をしたことは当然のことです。一方、公共事業費は増額されたものの、依然、低水準にあり、これまでの国頼みの財政運営と何ら変わらず、その効果を発揮するには乏しい決算でした。  次に、今後の財政運営については、企業が元気になり、職を求める市民が働ける場をふやさなければなりません。そのためにも、市有地売却の際の厳しい条件づけなどの規制を緩和し、民間の力で市街地ににぎわいと活力を取り戻すこと、地域商店街の再生や観光産業の振興、さらには、高付加価値型産業として期待できるものづくり産業の製造業を成長の一つのエンジンとなるよう力を入れるなど、戦略的ビジョンのもとに産業を振興していくべきです。また、公共事業の削減は限界に来ておりますので、私どもが常々訴えてきました高速道路と都心を結ぶ自動車専用道路を初め、公共施設耐震化等、必要な事業には借金をしてでも積極的な事業展開を図っていくべきです。  私どもは、こうした多くの課題を抱えた財政運営と決算であったと考えますので、市長は、事業執行の成果と課題を市民に明らかにした上で、今後の市政運営に反映させていくべきことを指摘しておきます。  それでは、本特別委員会を通じて私ども会派が取り上げてまいりました諸課題について、提言や意見などを含めて述べてまいります。  最初に、財政局関係についてです。  市税事務所の設置は、地元区民から北部市税事務所設置場所に対する疑問の声が多々ありますので、区民へのしっかりした説明と周知を求めるとともに、市税事務所設置の目的である効率化と機能強化を図り、数値目標を上回る市税収入の確保に向けて鋭意取り組んでいくことを求めます。  次に、市長政策室関係についてです。  職員の接遇向上については、職員の接遇に対する市民の苦情等の増加に対応して、職員が市役所は市民最大サービス業であるとの認識のもとに仕事を行っていくために、市民の苦情を共有するシステムを確立し、職場研修などの強化を通じて職員の意識改革に常に取り組んでいくことを求めます。  市民評価については、市民評価結果と市民意見募集結果で意見が相反する事業の中で、特に、市民評価で廃止もしくは廃止を含む見直しとされた市民利用施設の廃止、見直しを判断する際には、市民評価を行った行政が、評価結果、市民意見募集の結果、さらに利用者の意見も踏まえた上で、判断結果の理由を市民が理解できるようしっかりとした説明責任を果たしていくことを求めます。  次に、総務局関係についてです。  市民情報センターについては、同センターあり方検討委員会の提言にあるとおり、設置目的や必要性の低下した同センターを廃止した後においても、特に中高年層を主とする市民のIT活用へのニーズは高いものと考えますので、学校やまちづくりセンター等公共施設を利用した地域分散型の事業展開によって、市民のIT情報活用能力の一層の向上を図っていくよう求めます。  市長の対中国外交については、上田市長の方針は、長年にわたって多額の予算と人材を投入してきた割には、中国政府との間に何の外交ルートも構築できなかったことについては大いに反省すべきであると指摘いたします。  次に、子ども未来局関係についてです。  家庭的保育保育ママ試行事業については、待機児童が1,500人を超える中で、試行とはいえ、保育ママ6人で預かる子どもが最大30人では余りにも少ないため、連携保育所として、ちあふる6カ所だけではなく、市立保育園も加えて保育ママをふやすべきこと、保育ママ保育士有資格者だけではなく無資格者でも保育ママになれる制度にすべきこと、さらに、本制度の周知は、通常の方法に加えて、待機児童やその保護者に直接通知することを求めます。  次に、環境局関係についてです。  太陽光発電については、二酸化炭素排出量の削減に向けて、発電機器などの導入を促進する札幌・エネルギーecoプロジェクト事業を新年度以降も継続するなど、市民や事業者からの排出削減を促すさまざまな施策を推進することとあわせて、札幌市みずからが模範となって排出量削減に取り組むため、市有施設への導入を一層加速するよう求めます。  焼却灰のセメント化によるリサイクルについては、ごみ埋立地の構造基準の厳格化に伴い、埋め立て処理焼却灰リサイクルのコスト差が小さくなっていることから、札幌市は、埋立地の延命化に加えて、資源の有効利用とごみの安全処理につながる環境保全という視点に立って焼却灰リサイクルの推進に取り組んでいくことを求めます。  ごみ問題について、家庭ごみ手数料収入は環境税とも言えることから、従来の環境清掃事業費の一般財源の不足分に補てんするのではなく、環境を視点とするまちづくりに向けた新たな市民サービスの向上に資する事業に充てるべきこと、篠路清掃工場延命化事業は、ごみ減量に対する見通しの甘さにより、既に休止している同工場の延命化に多額の経費を費やしたことはむだ遣いの何物でもなく、同事業は中止すべきであったこと、同清掃工場雑がみ選別ライン整備の見直しは、主要古紙を含む雑がみ収集で製紙原料化されるべき主要古紙の多くが高コストの固形燃料に処理されているので、雑がみ分別の徹底を図る追加改善策を速やかに実施し、主要古紙製紙原料化を推進すべきことを指摘します。  円山動物園については、市内最大の入場者数を誇る観光施設として、高い繁殖技術の活用とあわせて、外国人観光客受け入れ体制、アクセスの改善、向上、冬期間の集客対策の向上、入園者の安全確保や感染症事故未然防止対策の強化など、多角的な面から改めて検証を加え、都市の最も魅力的な動物園として総合力を高めて一層の魅力アップに取り組んでいくよう求めます。  次に、教育委員会関係についてです。  学校給食費未納問題について、毎年、多額に上る給食費の未納問題を解消するため、収納事務を学校から教育委員会に全面的に移管し、実践体制を強化するとともに、悪質な未納者には法的措置も含めて未納対策に真剣に取り組んでいくことを求めます。  学校選択制について、保護者と教員双方の意識改革につながると考えますので、外部有識者や保護者を交えた検討協議会を立ち上げて、子どもや保護者の視点で議論を重ね、ブロック制隣接区域選択制も含めて学校選択制の実現を目指していくことを求めます。  教職員の服務規律等の実態に関する調査について、憲法違反との誤解などで回答しない教員がいた中での調査は実態を反映しているとは言いがたいため、今後、教員の誤解や疑念を払拭し、実態を反映した調査とするためにも、違法性がない旨を校長、管理職と一般職員に周知徹底すること、また、会計検査院が一部法令違反の疑いありとの理由で教育の場に検査に入ること自体、尋常ではないとの認識のもと、会計検査に対する適切な対応と、子どもたちに影響がないよう慎重な配慮を望みます。  認定こども園計画については、少子化に伴い、定員割れで厳しい経営を余儀なくされている私立幼稚園の現状を十分に勘案し、新設幼稚園保育機能を兼ね合わせる一体型ではなく、既存幼稚園保育機能を備えることができる併設型の仕組みづくりを進めていくよう求めます。  次に、消防局関係についてです。  消防団の充実強化については、消防団の定員充足率の低下や高齢化が進む現状にあって、消防団が地域における防火・防災の中核を担う活動を展開していけるよう、携帯電話への災害情報発信など即時対応力を支援する装備の充実強化とともに、若年層の入団を促進する取り組みを強化するなど、ハード・ソフト両面にわたる支援に取り組んでいくよう望みます。  最後に、市民まちづくり局関係についてです。  まちづくりセンターの検証と自主運営について、当センターの検証による運営のあり方を検討する際には、中立性の確保、地域人材の確保、地域負担の増加等、自主運営化による課題を踏まえて、地域が求めること、地域が抱える課題等に十分考慮して検討すること、また、自主運営化を進める際には、検証で明らかとなったメリット・デメリットを地域に十分説明し、柔軟な対応と支援をされるよう求めます。  以上、16項目について、事業の趣旨や内容、意義と効果などの観点から疑問点や留意すべき点を指摘させていただきましたが、これら事業の執行に当たっては、私ども会派の指摘等を十分しんしゃくされて市政執行に当たられますよう強く求めて、私の討論を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、民主党・市民連合を代表し、本特別委員会に付託されました2009年度各会計決算について、これを認定する立場で、討論いたします。  世界的金融危機に端を発した経済不況は、持ち直しつつあると言われているものの、地場経済や雇用情勢は依然として厳しく、市民生活においても将来への不安が払拭されずに至っております。  こうした状況の中、上田市長は、伸ばすべきものは伸ばし、変えるべきものは思い切って変える、そして、最小の経費で最大の効果という基本方針に沿い、2009年度には、札幌駅前通地下歩行空間など都市基盤の整備を初め、市内経済を支えるための中小企業向け融資の大幅な拡大や雇用の創出など、精力的に取り組みました。また、ごみの減量化では、町内会を中心とした地域での市民活動の高まりにより、今年3月末で篠路清掃工場の運転休止を実現したことなど、日ごろから市長が訴えてきた市民自治が息づくまちづくりを根本に据えて、市民とともに考え、ともに悩み、ともに行動するまちづくりの実現の具体的実践を果たしたものと大きく評価しております。  今月22日には、韓国、大田広域市と姉妹都市提携を結びました。この提携を機に、文化や生活の違いをお互いに認め合い、平和な社会と創造性あふれる都市づくりに向け、本市がさらに発展していくことを強く願います。  以下、本委員会において我が会派の所属委員が取り上げました各局の課題について述べてまいります。  まず、財政局です。  財源確保対策については、市税事務所高額対応班が設置されることから、今後も滞納額の圧縮を図り、予算額を上回る税収の確保に向けた努力と、あわせて、市有地の売り払いについては、不動産業界を取り巻く状況は厳しいものがありますが、財源の確保に向けた努力を求めます。  市長政策室です。  道産食彩HUGは、北海道の魅力発信、道産品の地産地消推進のアンテナショップとして、また、狸小路商店街の活性化という目的で設置されており、民間の力を最大限活用した官民連携による取り組みの成功例とならなくてはなりません。HUGマートも、チャレンジショップであるHUGイートも、この取り組みが持続可能なものになっていくよう積極的にバックアップ、支援していただくことを求めます。  ふらっとホーム〜市民と市長の2時間談義〜は、市民意見のさらなる市政への反映を目指すため、また、市長ともっとじっくりと意見交換できる場にしてほしいという市民意見を踏まえたものです。市政に関心はあってもなかなか発言や参加をされない市民からの意見を聞くことのできる場となっており、参加者の満足度も高く、今後も市民との有意義な意見交換が行われることを期待いたします。  総務局です。  現業職員の採用については、採用を行わない年が続くと、年齢構成がいびつなものとなり、職場における技術の継承を行うことができず、その結果、技術力低下につながる危険性があります。職場に新しい息吹を吹き込むことは、職場全体を活性化させ、最終的に市民サービスの向上につながるものです。現業職場のあり方について、今後も十分に検討されることを求めます。  不祥事対策取り組みについては、組織は人なりというように、人が育つためにはコミュニケーションが不可欠であり、職員同士がしっかりとフェース・ツー・フェースで向き合うことにより、行政の最も基本である堅実な仕事ぶりを取り戻すとともに、より効果的な研修を企画、実践することで、研修の成果をしっかりと受け継ぎ、研修を行う側と受ける側の双方で不祥事を発生させない体制を築き、市民の信頼回復に努めることを求めます。  子ども未来局です。  民間児童育成会が適切な場所を確保し運営しているかについては把握をする必要があり、定期監査の際に施設状況等についても確認されるとのことでした。施設整備に係る費用は運営費の中で対応されるものとの答弁でしたが、4月現在、51カ所の学童保育所で1,149名のお子さんが、放課後や長期休みの期間、安心して暮らすことができる環境を保つことは、札幌市としても重要なことです。今後とも、学童保育を物心ともに支えていただくことを求めます。  保育ママは、保育士資格を持たなくても、子育て経験がある方が保育ママになることができる制度を目指しますが、まずは早急な待機児童対策として保育士資格保有者による試行実施となりました。子どもにとって親しみやすく安心感が得られる家庭的保育により、一人一人の発達過程や心身の状況に応じたきめ細やかな対応ができます。また、地域全体で子どもをはぐくんでいく仕組みがより有効なものとなりますよう、十分な支援をしていただくことを求めます。  環境局です。  札幌・エネルギーecoプロジェクトでは、新エネ・省エネ機器の導入が進んでいるものの、北海道札幌市における普及率は本州に比べ低く、さらなる新エネ・省エネ機器の普及拡大に向けて、経済対策としても期待ができる本市の支援事業を来年度以降も継続していく上で、制度の内容や予算配分などを見直し、補助枠を拡大し、市民ニーズに最大限こたえられるよう検討することを求めます。  ごみステーション問題については、既存の共同住宅での専用ごみステーション化が進み、共用ステーションの利用が戸建て住宅中心になっていくことにより大幅な改善となります。今後は、町内会、ごみ排出マナー改善対策連絡協議会との連携を図るとともに、箱型ごみステーション敷地内設置費助成制度の活用やごみパト隊による支援強化を行い、さらなる改善に向け取り組むことを求めます。  銭函風力発電建設計画について、今春以降、市が事業者を指導した結果、これまで4回の説明会が行われ、また、札幌市独自に道内の風力発電施設を視察、学識経験者による検証専門家委員会議を設置したことなどについては評価いたします。これに基づき、上田市長名で提出する環境影響調査評価意見書が有効な役割を果たすこと、また、施設稼働後の住民不安を解消するための仕組みづくり、協定などの締結を検討すべきです。  円山動物園について、札幌青年会議所の象導入については夢のある企画であり、十分検討し、市民に喜ばれ、意義あるものになるよう、動物園としても協力していただきたい、また、大都市における生態系確保の視点は、市政運営において極めて大きなウエートを占める要素です。動物園の国際化として、国際種情報システム機構、ISISへの加盟については、種の保存、生物多様性の維持における公立動物園として果たすべき大きな役割であり、関係部局とも十分調整していただくことを求めます。  教育委員会です。  札幌遠友塾自主夜間中学は、さまざまな事情により過去に十分学ぶ機会のなかった方のため、学びの場を提供しており、現在、80名が通学され、ボランティアスタッフ約70名が先生になり、またサポートスタッフとして、教育本来のすばらしさを感じさせる授業を行っています。遠友塾の活動に対して、教育委員会は、向陵中学校の教室使用のほか、教材置き場の確保や、学ばれている高齢者や体の不自由な方のために施設の整備を行っていることについては評価いたします。今後、遠友塾においても行政との協働事業となるよう、ぜひ一歩踏み込んでいただき、支援されることを求めます。  障がいのある子どもへの支援について、大切なことは、ともに生きる社会の実現に向けた日々の取り組みの積み重ねであり、幼いときからの思いやりや優しさを大きくなってもはぐくんでいくことです。ボランティアなどを活用する際には、子どもたちがお互いの違いを認め合い、ともに助け合うなど、心を涵養することについて十分に配慮し、取り組むことが大切です。可能な限り地域の学校に通うという理念を実現するために、さらに具体的な手だてを講じていただくことを求めます。  インターネット予約は、来館せずに受けられる図書館サービスの典型ですが、飛躍的に予約が増加したことは、市民の期待にこたえた結果です。電子書籍も含め、情報や通信の技術革新が急速に進む一方、ページをめくり、作者の思いに心を寄せ、新たな考え方を吸収する読書という人間の知的な営みは捨てがたいものがあります。大切なことは、インターネット電子書籍などの情報技術を、読書をより身近により豊かにしていくためのツールとして利用していくことだと考えます。情報の充実と図書の充実のバランスに十分に配慮された図書館サービスの展開を期待いたします。  消防局です。  消防の行う救急業務は、住民の生命、身体を事故によるけがや病気から守るものであり、市民が安全・安心に生活していく上で必要不可欠な行政サービスですが、少子高齢化核家族化の進展や住民意識の変化などにより救急需要が増加しており、不適正な救急車の利用を防止するため、救急車の適正利用についてのPRを続けていただきたい。  札幌市における生存率及び社会復帰率は、全国と比べ高い結果となっており、今後も市民の安全・安心を補完するために、持っている消防力を十分に活用した救急体制を構築されるよう求めます。  ジュニア防災スクール事業については、地域における防火・防災はとても重要な意義を持つものですが、高齢化や地域コミュニティーの希薄化といった課題は、地域の安全・安心を脅かすものです。小・中学生から進める防火・防災教育は、地域の一員としての自覚を高め、さらには、社会貢献意識の高揚を図るという意味においても必要だと考えます。中学生への教育はまだ始まったばかりですが、ぜひ、教育委員会とも連携し、積極的に進めていただくことを求めます。  市民まちづくり局です。  星園高校跡利用では、地域社会とともに成長しようとする使命感と責任感を持った団体が管理することで、星園高校跡施設が機能を発揮し、地域の人々とNPO、行政がしっかり支え合い、また、地域経済を力強く下支えすることのできる雇用の源泉となるような市民活動支援の施設となることを強く求めます。  性暴力被害者支援ワンストップセンターについては、性暴力とは、DV、子どもへの性虐待、強姦、わいせつなどの性暴力であり、被害者の心と身体を深く傷つけ、人間としての尊厳を脅かす人権問題であり、医療問題でもあります。できるだけ早い時期に支援センター設置や、女性や子どもの安全を守り支援をする医療支援ネットワークができるように、札幌市もともに進めていただくことを強く求めます。  そのほか、無料特別相談、職員への心のケア対策待機児童対策、空白校区のミニ児童会館事業ごみの減量・リサイクルさけ科学館、都市公園内の有料運動施設、豊成及び北翔養護学校青少年科学館、火災から身を守るための対策、中小河川のハザードマップの作成、郊外住宅のまちづくり、札幌市の消費者行政についても、その事業の趣旨や内容、さらには効果の観点から疑問点や留意すべきことを指摘させていただきました。  理事者におかれましては、私ども会派の指摘や提言を十分しんしゃくされ、市政執行に当たられますことを強く求めて、私の討論を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私は、ただいまから、公明党議員会を代表し、本特別委員会に付託されました平成21年度各会計決算につきまして、これを認定する立場から、簡潔に討論を行います。  平成21年度予算は、上田市政の2期目の任期の折り返しとなるものであり、伸ばすべきものは伸ばし、変えるべきものは思い切って変えるを基本方針とし、行財政改革プランに基づき、事務事業の見直しを進める一方、第2次札幌新まちづくり計画に位置づけられた事業について積極的に予算配分を行ったところであります。  しかし、決算状況を見てみますと、数次にわたる補正予算が組まれ、最終予算額が前年度比で6.1%増となる8,723億円となったのに対し、執行率では、昨年よりも1ポイント上回ったとはいえ、93.7%にとどまっています。また、総額388億円余の不用額も出ており、経済対策としてみれば、事業を年度内に執行できなかったことで効果が薄れてしまったのではないでしょうか。加えて、財政調整基金の取り崩しを抑え、市債についても残高を5年連続減少させたことが成果とされておりますが、いまだ景気が低迷している状況においては、財政調整基金を取り崩した上でさらに市債を発行してでも経済・雇用対策を行うべきではなかったかという思いを強くしております。  それでは、本委員会を通じて我が会派が取り上げてまいりました主な諸課題等について、提言、要望を含めて述べてまいります。  最初に、市税事務所の移行についてです。  今回の事務所への移行、移転に当たっては、これまでの市民サービスの維持、確保に努めるとともに、事務の効率化、集約化により、最大の使命である税収の確保に向け、さらに積極的に取り組まれるよう要望いたします。  次に、地方交付税制度と一括交付金についてです。  地方交付税は、本市にあっては重要な財政基盤であり、その確保について引き続き尽力いただきますとともに、来年度から導入が予定されている一括交付金制度についても、使途の自由度はもとより、その必要十分な総額の確保について国への働きかけを強めていただくよう要望いたします。  次に、市民評価についてであります。  今般の市民評価の実施に当たり、市民の仕分け人を匿名としたことは、結果の市民に与える影響、重大性などの観点など責任ある位置づけが必要なことから、改めて、会派として反対を表明するものです。また、今後は、事前に利用者の声を十分に聞くなど、双方の立場を詳細に把握した上で、より客観的、総合的な評価が可能となるよう手法の改善を求めておきます。  次に、基幹系情報システムの再構築についてでありますが、システムの構築に当たっては、積極的に地場IT企業に対する受注機会を確保し、地場産業の振興策となるよう十分な配慮をしていただきたく要望いたします。  次に、子ども・子育て新システムへの対応と保育所整備についてです。  札幌市における幼保一体化に向けた取り組みについて、今後とも、双方関係団体と丁寧かつ十分な協議を重ね、実りある結果がもたらされることを期待いたします。また、厳しい財政状況ではありますが、引き続き、国の基金を活用し、より積極的な待機児童の縮減に取り組まれますよう要望いたします。  次に、児童クラブについてです。  学童保育は、公と民が相互に補完し、共存共栄関係を維持していくことが望まれますが、児童会館の新たな設置により、既設の民間児童育成会の存廃にかかわるケースもあることから、十分に配慮した対応を求めておきます。また、民間施設では、開設時間について柔軟な対応をとる施設も多いことから、今後、児童会館の開設時間の拡大について鋭意検討いただくよう要望いたします。  次に、さっぽろ親子絵本ふれあい事業についてです。  いわゆる赤ちゃんが初めて親とともに本と触れ合い、豊かな感性を育てるブックスタート事業が開始されたことは大変意義深く、1年が経過しましたが、今後はさらに2〜3歳を対象にしたセカンドブック事業を視野に入れた事業の継続、拡大について強く望みます。  次に、ごみ問題についてであります。  まず、主要古紙の雑がみへの排出禁止を目標に、追加改善策の実施やリサイクルルートの開拓に一層の尽力をお願いいたします。さらに、生ごみは燃やせるごみの47%を占めることから、引き続き減量・資源化の積極的な取り組みを要望いたします。また、共同住宅の専用ステーション化を進めるため、狭隘な道路に小型車を導入するなど、収集体制の一層の効率化を要望いたします。  次に、温暖化対策についてです。  札幌市の対策の一つとして非常に有効であるペレットストーブの普及について、市民が体験できる展示場所の確保や購入補助制度についてさらに力を入れていただきたく要望いたします。また、LED照明については、今後も、市有施設や街路灯において積極的な導入を図り、民間への普及につなげていただくよう強く要望いたします。  次に、ていねプールについてです。  市民評価で廃止の判定を受けましたが、当プールは、市民の身近にあり、子どもを中心に気軽で利用しやすい施設であり、親も安心して通わせることができる民間では担えない公益性の高い健康増進施設であります。いま一度、現場での利用実態を詳細に把握していただき、利用者の声に耳を傾け、存続に向けた検討を強く望みます。  次に、ネットトラブルの対応についてです。  子どもを取り巻くネットトラブルは、前年比30%の勢いで増加しており、子どもが犯罪や事故に巻き込まれる情報モラルの崩壊が危惧されます。今後とも、ネットパトロールを強化し、子どもや保護者のみならず、社会全体に向けたトラブル防止のための対策と情報発信や研修に一層の力を注がれることを要望します。
     次に、学校給食での牛乳アレルギーのある児童生徒への対応についてです。  牛乳アレルギーのある児童生徒や保護者の負担軽減のため、ぜひ、代替飲料の直接提供実施に向けた検討をお願いいたします。  次に、危険物地下貯蔵タンクの流出事故防止対策についてです。  来年、法改正が行われ、流出防止対策が強化されますが、札幌は人口比で全国一の地下タンクがあることから、今後、流出防止対策のPRや指導を徹底していただくとともに、ホームタンクについても事故防止に向けた技術開発や市民向けの情報発信に努めていただくことを要望いたします。  次に、消火協力者に対する消火薬剤補助についてです。  火災時に近隣住民がみずからの消火器で消火に協力するケースが多く、このような住民の相互扶助、安心・安全に向けた連帯活動を支援することが重要であります。消火剤の補助について、ぜひ検討いただくことを要望いたします。  次に、実践的な防災普及啓発の実施についてです。  ともすると、希薄化する防災意識を喚起し、地域防災力をさらに高めるためには、住民、町内会、企業に対し、不断の意識啓発が重要です。札幌市はDVDによる普及啓発を企画しているとのことですが、ぜひ、視覚に訴え、印象深いものとなるよう、今後とも積極的に啓発に努めていただくよう要望いたします。  次に、歴史的建造物を活用したまちづくりについてです。  積雪寒冷地である札幌においては、歴史的建造物の保存には維持管理の面で困難を伴いますが、今後とも大切に保存し、観光資源としても大いに役立てていくよう、企画、観光等、部局横断的な取り組みにより一層の有効活用が図られることを要望いたします。  次に、ヒグマの出没についてです。  全国的にクマの出没事故が多発しており、札幌市においても、クマの生息地と至近距離にある住民への被害が懸念されます。未然に事故を防止するために十分な対策を講じることが肝要であり、特定の職員に負担のかかることがないよう、専門家も入れた全庁的な体制整備をしっかり行っていただくよう要望いたします。  次に、地域の防犯対策についてです。  安全で安心なまちづくりにとって、地域と事業者が連携協力することは大変意義のある取り組みであります。その一つとして、防犯カメラつき自動販売機の設置は有効な手法であり、札幌市はぜひ積極的に両者の橋渡し役を担い、地域住民の理解を得ながら連携・協働した防犯事業を推進していくよう強く要望いたします。  最後に、自転車対策についてです。  自転車専用道が整備されない中で歩行者被害が危惧されていますが、札幌市では、今後とも中・高生向けの危険体験教室や高齢者向けの寸劇など、事故防止効果の高い啓発活動を工夫し、継続的に取り組まれることを要望いたします。  以上が、本委員会の審査において我が会派が取り上げてまいりました質疑等の概要であります。理事者におかれましては、提言、要望を十分検討され、市政執行に当たられるよう強く要望して、私の討論を終わります。 ◆村上仁 委員  私は、日本共産党の本委員会所属委員を代表して、本委員会に付託されました議案第1号 各会計歳入歳出決算認定の件中関係分に反対する立場から、討論を行います。  一般会計当初予算は7,880億円でしたが、最終予算は8,723億円で、前年度より6.1%増となりました。  歳入の問題の第1は、過酷な差し押さえを急増させている問題です。  本委員会で、税、国保料、保育料滞納者に対する過酷な差し押さえ問題を取り上げました。税では、2005年度2,484件が、2年後には6,340件と3倍に急増しています。国保料の差し押さえは、2006年度66件から、3年後は474件と7倍になっています。保育料は、2008年度から新たに差し押さえを行うようになりました。  これらは、いずれも1〜2年を前後して差し押さえが強化されたものであります。特に税の場合は、8,000件差し押さえる目標を設定していることが今回明らかになりました。滞納者は、税や国保料だけではなく、さまざまな多重債務に苦しんで、そこから抜け出す道を見失っていることも多く、債務者と本市職員が一緒に考え、解決の道を模索し、生活再建に踏み出すことができるよう支援することが、本来、本市が行うべき滞納整理であるべきです。  件数の目標を持って推進することは、滞納整理の相談から安易に差し押さえを行うことにつながり、生活再建の道を断つことにもつながるものであり、件数目標は廃止すべきであります。また、子ども手当や児童扶養手当が口座に入った次の瞬間、差し押さえの対象とされてきたことは問題ですが、ねらい撃ちにはしない旨の答弁がありました。子ども手当、児童扶養手当、学資保険など子どものための大切なお金には、市といえども手をつけることは許さないことを申し上げておきます。  問題の第2は、市民負担の問題です。  最も影響の大きかったのは、家庭ごみの有料化です。7月1日からの有料化で市民負担の強化が29億円、平年度ベースで37億円、4人家族で年間7,400円の負担です。このほかにも市営住宅家賃、高校授業料の値上げも行われました。昨年度の本市の勤労者世帯における1カ月平均の可処分所得は43万2,361円で、1999年と比べると4万3,696円、9%減額となっています。市民生活が厳しくなっている中、市民負担の強化には反対です。  歳出についてですが、まず、職員定数問題です。  代表質問でも指摘しましたが、2003年度から今年度までの7年間で定数を1,756人減らし、非正規雇用である臨時職員を同じ期間で271人ふやしていることは、雇用のあり方として問題であります。昨年度も定数を190人減らしていることは反対です。  以下、代表質問及び本特別委員会で指摘した主な課題について局別に述べてまいります。  まず、市長政策室についてです。  指定管理者における雇用問題についてです。  本市の指定管理者で働く人の3分の2が非正規雇用であり、特に、正規職員以外の非正規雇用が低賃金となっています。指定管理者制度は4年ごとに更新されることから、労働者は、4年後の自分がどうなるのか、人生設計に一切見通しが持てない仕組みであり、制度の生まれながらにして持っている属性に問題があります。制度そのものに欠陥があり、廃止すべきですが、制度の運用をしながら正規雇用をふやすための誘導策をとるなど、問題点を減らす努力をすべきです。  市民評価、事業仕分けについてです。  税金のむだは削るべきですが、高齢者福祉や健康づくりなど市民が充実を求めている事業は、単に効率性や経費削減を前提に仕分けすべきではありません。また、市民目線、市民感覚と言いながら、仕分け対象事業をすべて市が選定したのは問題です。仕分け対象は、市民の立場から項目を選定することが大切です。莫大な税金を投入する北1西1街区再開発構想や幹部職員の天下り問題などを仕分け対象とすべきであり、事業仕分けのあり方全体を見直すべきことを指摘しておきます。  次に、総務局です。  職員のサービス残業について取り上げました。  本市の行った時間外勤務に関する調査は、対象が課長職だけであり、不十分です。全職員を対象とした調査を求めます。また、安全衛生委員会の開催計画は、法令では月1回の開催を求めており、年12回の開催を計画すべきです。  次に、市民まちづくり局です。  北1西1街区の再開発については、大規模な再開発ビルであること、不動産市況が厳しいことから、保留床が予定どおり処分できなかった場合、ビルの建設費が捻出できなくなることが懸念されます。再開発は全国的にも失敗した事例が多いことから、北1西1街区の再開発ビルは、施設全体が過大となり過ぎ、保留床が予定どおり売れず、売れ残った保留床を市が後始末として購入するという税金のむだ遣いとならないよう、改めて厳しく指摘しておきます。  高齢消費者被害防止ネットワーク事業についてです。  地域や他部局とも連携しながら、ひとり暮らしの女性や認知症の方など悪質商法の被害を受けやすい高齢者への被害防止対策に取り組むべきです。  次に、財政局です。  区役所から税務部門をなくし、新たに市税事務所を設置したことで、市民の利便性が損なわれることは問題であると指摘しました。税務の窓口が込み合う3月と6月の繁忙期に各市税事務所の駐車場に入れず混乱することのないよう、特別な手だてを検討すべきです。また、相談などで時間を要したことで駐車場の利用が1時間を超えた場合は、利用料金は無料とすべきことを改めて申し上げておきます。  次に、子ども未来局です。  児童相談所の機能強化についてです。  児童福祉司が受け持つ虐待の相談件数は、1人当たり19件で、5年前の2倍です。施設入所や里親への委託など困難なケースもふえています。今検討している児童相談所将来構想策定案は、児童相談所の困難な実態に見合った児童福祉司の増員と専門性を確保できる計画を持つべきです。相談を受ける体制の強化とともに、親の孤立を防ぎ、一時保護に至らないうちに相談を受けることができるよう積極的な地域連携に取り組むことが求められています。児童相談所の機能は、抜本的に強化すべきと申し上げておきます。  次に、子ども・子育て新システムについてです。  子ども・子育て新システムは、保育の市場化で営利企業の参入を自由化するものであり、これまで築いてきた日本の保育制度を解体に導く重大な問題があります。社会保障として公的責任を堅持すべきであり、保育所給食の外部委託はしない旨の答弁がありましたので、徹底すべきことを求めておきます。  待機児童と超過入所は、5年間で3,500人分の整備計画を思い切って前倒しして2年間で整備の見通しをつけ、その時点でまだ足りなければ整備計画を上乗せすべきことを改めて申し上げておきます。  次に、環境局です。  本市の二酸化炭素排出削減目標は、2020年までに1990年の25%削減となっています。ところが、2007年までで1990年比で16%もふやしています。削減目標を達成するためには、エネルギー効率が高い市営住宅などへ中規模のコージェネレーションの採用や公共交通の利用拡大など、全庁を挙げて二酸化炭素の削減を進めるべきです。2020年までに507万トンの削減を行うためには、確実な実行計画をつくり、削減状況を検証しながら着実に進めるべきです。  再生砕石へのアスベスト含有建材の混入問題についてです。  アスベストは、耐熱性や耐薬品性が強い性質があり、セメントなどにまぜ、屋根や壁の材料として広く使われてきました。それが建物を解体する際に一般の建設廃材と分別処理が適切に行われず、再生砕石にアスベストが混入することが指摘されています。解体工事の作業に携わる労働者への健康被害も懸念されることから、関連業者へのアスベストの適正処理の周知と、すべての破砕業者で調査を実施すべきです。また、再生砕石は、道路の路盤材あるいは下水道管や公園遊具の土台等に使用されており、アスベストの混入の可能性は否定できません。既に使用されている再生砕石についても調査の実施を求めます。  次に、危機管理対策室です。  厳冬期における災害発生時の負傷者への防寒対策についてです。  避難場所と備蓄倉庫が別のため、大地震など災害発生時に備蓄物資の提供に時間がかかるのは問題です。厳冬期は、負傷者が寒さで亡くなることが懸念されます。体育館などの避難場所と備蓄倉庫を一致させる努力とともに、防寒用としてすべての体育館に毛布など一定量の備蓄が必要です。使い捨てカイロ、保温力にすぐれているアルミ製緊急防寒ブランケットや発電機、暖房用ジェットヒーターなど厳冬期の防寒備蓄品として新たに加えるべきです。  最後に、教育委員会です。  中学校でのスキー授業は、増加傾向であるということでした。今後、さらにスキー授業をふやすため、用具への費用負担を軽減する配慮として、スキーリサイクル事業の拡大を求めておきます。  教員の勤務実態と健康破壊の関係についてただしました。  教員の時間外勤務は、心身に及ぼす深刻な影響が懸念されるほど多く、その上、昼休みも休めないなど1日じゅう緊張感が続くことが健康破壊の重大な要因であることを指摘しました。教員の負担軽減を図るために、報告書類作成の軽減や教員の支援として効果の大きい、小学校での学びのサポーター活用時間をふやすべきです。また、勤勉手当の導入により、教員の孤立と疎外感を生み出し、精神的に大きな負担となり、教員の士気向上に結びつきません。解決の手だてが必要です。教員の負担軽減に資する30人学級を実施すべきです。  子どもの貧困にかかわり、奨学金制度と就学援助制度の充実を求めました。希望をしても1,000人以上が市の奨学金を受けられないのは問題です。一生懸命に勉強し、さらに、学ぶ意欲がありながら、奨学金が受けられず、貧困で学べない子どもをなくすために、奨学金制度枠は拡大すべきです。また、就学援助制度は、学校での丁寧な説明と、生活に困窮していると思われる場合には制度の利用を積極的に促すとともに、申し込み後の就学援助費の支給は早めるべきです。眼鏡は援助対象外ですが、本市独自の判断で導入できるものであり、子どもが黒板の文字が見えないまま授業を受けることがないよう、学習権を保障する観点から、就学援助の対象とすべきことを改めて強く求めておきます。  以上で、私の討論を終わります。 ◆伊藤牧子 委員  私は、市民ネットワーク北海道を代表し、第一部決算特別委員会に付託されました2009年度各会計決算について、認定する立場から、討論をいたします。  日本経済は、急激な円高状況により、国内消費の減速が鮮明になり、景気の先行き不安が現実のものとなっています。依然として厳しい経済・雇用状況は続いており、失業状態の長期化や若者の就職難などを最優先課題として具体的な対策が図られなければなりません。地域主権の理念のもと、地域の活力を生かし、地域の実情に合った経済・雇用政策を進めるべきです。  さて、2009年度は、上田市政の2期目の最終年度であり、市政方針である札幌元気ビジョン第2ステージの実現に向け、札幌市行財政改革プランと第2次札幌新まちづくり計画に取り組み、予算に計上した事業についてはほぼ所期の目的を達成されたことは評価できるところです。  しかし、決算状況を見ますと、市税は2年連続で減少する一方で、生活保護費などの扶助費の増加が見込まれるなど、依然として厳しい状況が続いています。これまで以上に、職員一人一人の創意工夫により効率的な執行と経費の節減を図ることが求められています。だれもが希望の持てる社会を目指して、今後一層、堅実な財政運営に努め、市民力、地域力を結集し、市民が自治するまちづくりを積極的に進めることが重要です。  以上のような視点に立ち、決算特別委員会で取り上げましたことを中心に、市政の諸課題について、提言、要望等を含めて、順次、述べてまいります。  初めに、選挙管理委員会についてです。  投票が困難な人への支援や投票機会の確保について、国民の基本的な権利である投票に行きたくても行けない高齢者や障がいのある人たちの権利保障が急務です。課題解決に向け、実態を把握するためにも、幅広く当事者の意見を聞くことが必要です。選挙管理委員会が中心に、関係部局と連携を図り、検討、議論を進め、当事者参加で協働のもと、権利保障の実現に向けた取り組みを一歩ずつ進めることを強く求めます。  次に、市長政策室についてです。  指定管理者制度を適切に運用するために本市職員が業務検査、財務検査などのモニタリングを行うとしていますが、チェック項目は多岐にわたり、専門性を必要とすることから、その役割を十分に果たすことができるのか、懸念されます。また、ガイドラインで設置を義務づけられている運営協議会の参加者に市民が入っていないのは問題です。施設の設置者である行政と指定管理者の両方を監視、評価し、改善を求めるために、市民参画のモニタリング評価を行うよう求めます。  次に、総務局についてです。  女性職員の管理職登用については、福祉、子育て、教育、医療などの生活に密着した自治体運営が求められることから、政策決定の場に女性の多様な視点を取り入れることが必要です。本市も、管理職に占める女性の割合の数値目標を定め、それを実現するためにアクションプランを策定するなど、積極的に女性の能力を生かす取り組みを進めるべきです。  次に、子ども未来局についてです。  保護者からの虐待やネグレクトなどにより児童養護施設に入所した子どもたちは、高校を中退したり高校を卒業と同時に施設を退所しなければなりません。厳しい経済不況の中、就職などの自立の道は困難であり、希望を持って社会に巣立っていくためには、子どもたちが気軽に相談できる居場所の確保、就労支援、生活支援などの取り組みを行うよう強く求めます。  次に、環境局についてです。  ごみ処理費用の削減を図るため、行政回収の雑がみの分別基準を見直すとともに、集団資源回収の回収品目に雑がみを追加し、官民協働で雑がみを回収すべきです。また、現在、市内に2カ所しかない地区リサイクルセンターは、主要古紙以外に雑がみなどさまざまな資源物を回収し、土・日も開催していることから、利便性の高い回収拠点となっています。1区に1地区リサイクルセンター設置を目指し、不要となった雑がみの選別ラインの運転業務費2,900万円を活用し、新たなリサイクルセンターを設置すべきです。  次に、教育委員会についてです。  情報教育については、近年の著しい情報通信技術の進展により、学校でのIT機器の整備が進められています。あふれる情報を子どもたちが客観的に受けとめ、主体的に活用する情報リテラシー教育の構築が重要です。また、携帯電話やインターネットを悪用した掲示板や学校裏サイト等の書き込みや、出会い系サイト等による犯罪が多発していることから、情報モラルの確立のために、家庭、保護者とのより一層の連携を求めます。  最後に、市民まちづくり局についてです。  消費者施策については、IT化の進展に伴い、若年者においてもアンケート商法などの悪質な被害が広がっています。被害を未然に防ぐには、学校教育機関と連携し、小学生時から消費者教育を行うことが必要です。また、消費者の暮らしの安心・安全を確立するためには、身近な地方消費者行政の強化が不可欠であり、消費者団体、事業者団体、行政がそれぞれの資源を活用し、持ち味を生かしながら協働で進めることを強く求めます。  市民自治評価については、市民による集中評価会議が2007年度から開催されていますが、市民自治まちづくり全体にかかわることから、短期で行う集中評価会議のほかに、まちづくり全体における市民自治を継続して評価する総合的な市民自治評価の仕組みが必要です。公募市民と有識者で構成する仮称市民自治評価会議の本格実施により評価制度が整ったことから、今後は、評価条例の制定を視野に入れ、市長政策室とのより一層の連携を求めます。  以上、要望を交えて諸課題を述べてまいりました。理事者におかれましては、今後、これらの提言、要望を市政に反映することを求め、私の討論を終わります。 ◆堀川素人 委員  私は、改革維新の会を代表し、本委員会に付託されました議案第1号中関係分に反対する立場で、討論をいたします。  日本の経済は、この20年間、大変な厳しさの連続であり、その厳しさは現在も全く変わっておりません。昨年、政権交代があり、国民は、長く続いた経済不況の閉塞感からの脱却の期待を抱きましたが、その期待にこたえられる状況にあるかと言えば、決してそうではなく、逆に国民の期待を裏切っているようにも見え、日本経済は明るさを見つけ出せないでいます。そのことを考えて、また、北海道経済の現状を考え、また、札幌市の経済を考えても、日本のそれぞれの縮図のようになって閉塞感からなかなか抜け出せないというのが現実であります。  そういう観点から、21年度に執行されました決算の状態を見ておりますと、大変緊張感に欠ける予算執行が散見されるわけであります。具体的に申しますと、まず、我が会派で長いこと言っておりますが、現業職員の給与とその待遇をきちっと見直して、漫然と現在のような状態を続けておりますと、それは将来の世代に借財となってあらわれてまいります。ですから、これを根本的にもう一度見直していただきたい、こういうふうに思っております。それから、職員の福利厚生のためとして、札幌市職員福利厚生会に対して3億1,000万円ほどの交付金と補助金がいまだに出され続けております。北海道においてはこのような支出は皆無であり、ほかの自治体でもゼロないしは大幅に縮小されつつあるのが現状であります。事あるごとに指摘しているのでありますけれども、最近は一向に改まる気配が見えません。激変緩和という期間は既に終わっておりますし、早急に交付金及び補助金の全額を削除すべきであります。  次に、市長政策室の事業仕分けについてであります。  事業仕分け自体は本年度の事業でありましたが、このような事業がことし行われること自体、これまでの市長政策室は何をしていたのか、本当に不明であります。明確な目的と明確なイメージなしに行われたこの事業仕分けについては、極めて粗雑であり、評価に値するものではありません。市長の政策の効果的遂行のためとするなら、このような思いつきでの事業をはっきりとした形で撤退を明らかにすべきであります。もし再度出直すならば、周到な準備のもとに行われるべきであります。  次に、豊明高等養護学校についての入学間口の問題であります。  せっかく1間口ふやしたにもかかわらず、その1間口がそっくり入学欠員を出してしまいました。まさに、大失態であります。そして、その原因の分析もおくれていることは問題であり、それにかかった事業費においてもむだを出したことは極めて遺憾であります。  次に、大通公園の管理において、大通公園の芝生の傷みが激し過ぎます。原因の一つになっているイベント後の管理をしっかりすべきでありますし、芝生を傷めたイベント主催者に原状回復を厳しく求めるべきであります。また、この管理だけでは、現在のイベント数の規模からいきますと、芝生は生き物ですからなかなか再生することができない、こういうものでありますので、札幌市においても、観光振興という名において、今、野放しのような状態で使わせている大通公園を、環境局と力を合わせてしっかりと考えるべきであります。使用許可条件というものがあって使わせておりますので、使用条件をきちっと守らせる。当たり前のことをしっかりやらなければ、傷めた芝生を札幌市民の税金でまた管理しなければならない。こんなことをさせてはだめです。主催者に、きちっとその賠償を求めるなり、再生を求めるなりしていただきたい。  今指摘したこれらのことについては、極めて当たり前のことでありまして、この当たり前のことをきちっとする、この緊張感がないことが一事が万事と言われるようなことになっているのではないかと危惧をしております。このような言われ方がないように、今後とも気をつけて緊張してやっていただくことを求めて、討論といたします。 ○長内直也 委員長  以上で討論を終結し、直ちに採決を行います。  議案第1号中関係分を認定すべきものと決定することに賛成の委員は、ご起立願います。  (賛成者起立) ○長内直也 委員長  起立多数であります。  よって、議案第1号中関係分は、認定すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして、本委員会に付託されました案件の審査を終了いたします。     ―――――――――――――― ○長内直也 委員長  ここで、一言、ごあいさつをさせていただきます。  本特別委員会でございますが、始まったときにはまだクールビズだったかと思いますけれども、それがこの冬の雪の降る時期を迎えるまで、非常に長い期間にわたりまして皆様にご議論をいただきました。大変つたない委員長ではございましたけれども、皆様からご協力をいただきまして、無事務めることができました。本当に効率的な審査に努めていただきまして、今回は、昨年よりも短い時間で、そしてまた、長い日でも5時間弱の審査時間でした。大変効率的な審査にご協力いただきましたことに、改めて厚く御礼申し上げます。
     私ども議員の任期も半年ということになりましたけれども、これからますますお忙しくなっていくと思いますが、これからも二元代表制の中で我々が果たす役割をしっかり踏みしめながら、一層のご活躍をお祈り申し上げまして、一言、ごあいさつとさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)     ―――――――――――――― ○長内直也 委員長  これをもちまして、第一部決算特別委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時19分...